80歳の卒業

★80歳の卒業（スキー編）

　ついに、スキーから足を洗うことにした。

　スキーは小学校4年生（10歳）の時、スキー遠足に行ったのが始まりだ。

　学校近くの小さな山へ、吹雪で前が見えない野っ原をスキーを履いて歩いた。

　昼飯を食べる頃になると、２つ持って行った軍手は、雪にまみれてコチコチ。
　友達が見かねて手袋をひとときの間貸してくれた。

　何て暖かい手袋だろうかとびっくりした事を覚えている。

　初めての雪国、ましてやスキーをしたこともない母親が用意した軍手。
冷たい体験であったが、不思議と凍傷にはならなかった。

　あれから70年、スキーをしなかったのは、高校3年の時だけ。
もっぱらシールをつけての山スキーを楽しんだ。

　一生のうち一度で良いからスイスアルプスへ、スキーに行きたいと思っていたが、いつの間にか毎年、滑りに行っていた。

　アオスタで肋骨6本折って5日間入院したが、スキークラブのKさんに助けられて無事帰国したこともあった。

　2018年03月は、スイスツエルマットスキー出発の一週間前に、ドクターストップがかかり緊急入院。11回目となる海外スキーが露と消えた。

　10歳から始めたスキーは、昨日（2019年08月)、またしてもドクターストップがかかり、ついに、スキーを卒業する事にした。

　医者が言うには、今後、スキーで転倒したりぶつけられたりしたら、「即死」、運が悪ければ、「喋る事ができなくなり、寝たっきりになる」。
　さらに加えて、「今まで十分にスキーを楽しんできて、思い残すことはないでしょう」。医者としては、「ドクターストップ」をします。との事。

　「即死」なら良いが、「寝たっきりになるのは絶対、嫌なので」、スキーを止めることにした。

　五体満足で問題があるように見えない体ではあるが、耐用年数をオーバーした部品が見つかったのだ。
　
　過度の負担をかけないで、そろり、そろりと使っていれば、後10年は使用できるだろうという判断だった。

　愛用していたスキー道具一式は、姪夫婦が引き受けてくれるとのことなので、さっさと送ることにした。　手元になければ、未練が残ることもないだろう。

　スキー卒業にあたって、感謝の気持ちを込めてスキー歴をVTRにまとめました。

　いままで、ご一緒してくださった皆さん、ありがとうございました。

　これからは、のんびりと里山歩きを楽しみたいと思っています。

　　里山に、ご一緒できることを願っています。